1型糖尿病とは?
糖尿病は大きく分類して「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分けられます。区別される理由としては、1型と2型では発症の原因とメカニズムが全く異なる為です。1型糖尿病が遺伝子の突然変異などの遺伝的要因が大きいのに対して、2型糖尿病は生活習慣などの環境による要因が大きいとされています。
1型糖尿病は一種の「自己免疫疾患」で、日本での全糖尿病患者の5〜10%が1型糖尿病と言われています。本来、私たちの免疫機能は、体内に入った異物に対して攻撃し排除しますが、自分の体を作っている成分に対しては反応を示しません。しかし、免疫が自分の体の成分と、異物とを見分けられずに、自分自身の組織を攻撃し、破壊してしまう場合があるのです。これを「自己免疫」と言い、それにより引き起こされる病気を「自己免疫疾患」と言います。
典型的な自己免疫疾患である1型糖尿病は、すい臓でインスリンを作り出す「ベータ細胞(膵β細胞)」を異物と間違え、免疫が攻撃、破壊してしまう為に発症します。免疫系がベータ細胞を異物として攻撃してしまうのは、まず、ウイルスの感染によるベータ細胞タンパク質の変化があげられます。ウイルスがベータ細胞に取り付きそれを排除しようと免疫が攻撃をした際に、ベータ細胞のタンパク質が変化してしまい、ウイルスを排除したあとでも、ベータ細胞を異物として攻撃を続けてしまうのです。また、体内に入ってきた異物の構造が、ベータ細胞タンパク質の構造に似ている場合でも自己免疫を起こすことがあります。実際、ベータ細胞タンパク質とよく似た構造のウイルスも発見されており、そのような異物に対して免疫反応を起こした際に、ベータ細胞までも誤って攻撃を受けることがあるのです。
遺伝的な体質が関係している自己免疫疾患は、どのような物質に免疫反応を起こすかは、人の体質によって異なってきます。インスリンを作るベータ細胞に対して自己免疫が起きてしまいますと、すい臓のインスリン分泌機能が壊されてしまい、糖尿病の自覚症状が現れる頃には、すい臓の分泌能力はほとんど、もしくは完全に失われてしまっています。
以上のように、生活習慣に大きく左右される2型糖尿病と違い、遺伝的な要因で引き起こされる1型糖尿病は、自分自身で発症をおさえることが難しい糖尿病なのです。
(参考書籍:糖尿病のすべてがわかる本 矢沢サイエンスオフィス編)
更新日 2005年3月8日
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